Precious moments

人生にやってくる予想外の出会いや出来事。婚外恋愛の軌跡。

お仕事

実は…


近い将来、くまさんと一緒にお仕事をしようという話になっている。


2か月前くらいかな、いつものように電話でおしゃべりしてたら、たまたま、わたしが興味を持った業界(今の仕事と全く違う)と、くまさんが常々やってみたかったことが同じだってことが分かって、


「それならazu、一緒に仕事をしようよ!そしたらいつも一緒にいられるよ!出張だって一緒に行けるし、堂々とパートナーになれる。どう?ワクワクしない?」って。


またすごいことを言い出した 笑笑


「そうだねー♪ そんなことができたら楽しいねー」って、空想だけなら楽しいから同調すると、

「そしたらいつか、事務所を持ってさ、キッチン付きにしようね、azuがお料理できるように。それと社用車は…」

などなど、くまさんの空想を聞くのもまたおもしろかった。


ところが、このアイデア、空想にとどまらず。


もともと自分で事業を立ち上げて一度成功してるくまさん、頭をクルクル働かせてどんどん具体化していった。


毎日、そんな話をしてたわけじゃないけど、事あるごとにくまさんの構想が固まっていく…


ちょっと焦るわたし…苦笑

だって!ちょっと待って…

自営とか共同経営とか、会社立ち上げるとか…

わたしの人生の辞書にはなかったから。

そんなこと考えたこともなかったし。


わたしの仕事はスキル職で、地道に堅実に積み重ねてきた。もう20年以上やってるから、確かに飽きてきた面は否めないし、新しいことにチャレンジしたい気持ちもある。だけど…


大きなリスクを抱えることはできない。

こどもを育て上げる責任があるから。

いくらくまさんとでもこの年になってただの夢追い人にはなれない。


でも。友だちも広く持つくまさん。

その業界の人に相談して、アイデアを高く評価され、いろいろ調べるときっと公的な補助金なども使えそう、とか、とにかく話が現実的な方向へと向かってしまう。


わたしはとにかく、堅実に身の丈にあった生活ができればいいと思っているし、基本的には安定志向。


そんなことを話すと、

「うん。知ってるよ。そんなazuとだから一緒にやってみようと思うんだよ。僕はアイデアをたくさん出せる。あなたは頭がいいからそれを冷静に分析できる。いいコンビだと思うんだ。」

学校のことだけでくまさんはわたしのことを頭がいいと言うけれど(正直それほどでもないのに…)、実際にはくまさんの方が地頭がはるかにいい。


まだ、この計画がどう動いていくのか分からないけど、もしかしたら、本当に一緒に仕事をできる日がくるのかもしれないと今は思っている。

有言実行なくまさんのことだから。


とりあえず、言われた勉強をやってみよう。

そして、二人でも勉強していこうと思う。


もし、仕事のパートナーになって、それでも恋愛関係を維持できるのかわたしはとっても不安だというのに、くまさんは全然不安じゃないみたい。

「大丈夫だと思うよー、俺とazuなら。そりゃ仕事だから、生半可な気持ちじゃできないけど。とにかくやってみようじゃないか。」と。


Let’s see ...

追憶④

3回目にくまさんに会ったのも、やっぱり桜の木の下でした。


ちょうどわたしの仕事の振り替え出勤が土曜日になって、土曜日の午後に時間が取れたくまさんがわたしの住む町の近くまで会いにきてくれた。


初めは30分くらいしかわたしの時間が取れないから、ちょっと会ってお茶でもしましょうか、と言ってたんだけど、せっかく来てくれるならお花見リベンジもしたいね♪となり、近くの桜並木をお散歩しながら大きな公園に行って桜を見るプランに変更。さらにさらに、会いたい気持ちが強かったんだろうな、なんとか時間を作って、晩ごはんも一緒に食べられるようアレンジしてしまった!


でも、まだわたしは頑なにプラトニックにこだわっていて、そのことはくまさんに再三伝えていた。気持ちは動き出してるのに、その狭間でグラグラしていた。


そして、約束の日。

仕事を終えて、自転車で待ち合わせ場所へ向かった。毎日おしゃべりしていたけど会うとなるとまだ緊張しちゃって、わざわざ電話で話しながら対面したりしたなー 笑。


そして、いろんな話をしながら桜並木の下をずーっと歩いて、とっても楽しくて、大きな公園に着くころにはすっかり暗くなってた。

その公園にはそれはそれは立派な桜の老木があって、その前のベンチに座って、またいろいろおしゃべりした。とにかくくまさんとは話が合って、何を話していても楽しかった。くまさんはまっすぐにわたしを見ていたけど、まだわたしはとてもくまさんの方に顔を向けられずに桜ばかり見ながら、彼の話を聞いていた。


そろそろ帰らないと…

とその場所を離れて、少し遠回りをしながら公園の出口まで歩いていた途中。

なんの前触れもなく、急にわたしの顔を両手でガシッと押さえてくまさんの方に向けられたかと思うと、間髪入れずに、チューって!!!


えぇーーーー!?!?

ジタバタしても、ガシッと持たれてるから逃げられない!うそ!口!キス!?


そんなのが、くまさんとの初めてのキスでした 笑笑


「!!!

びっくりしたよぉー…

この間、口にはしないから安心してって、言ったよね…」


とりあえず照れ隠しにそんなことを言った。


「だって、したくなっちゃったんだもん!

それにこうしないとazuちゃん、逃げるでしょう 笑? でもね、僕はazuちゃんのこと、ちゃんと見てるから。azuちゃんが嫌がることは絶対にしない。これだけは約束する。」


「何年ぶりだろう、こんなの。。10年はしてないもん…」


「それを言ったら僕なんて18年ぶりくらいかなー。」


「えー!?本当に??それでどうしてこんなことできるのー?」


「僕だって、久しぶりすぎてこれでもすごく緊張したんだよ 笑。一応、周りに人がいないところだったから、今だ!って 笑笑」


そんな、甘い雰囲気など皆無のくまさんとのファーストキスでした 笑


くまさんは、相当なタイムラグがあるとはいえ、若い頃のご経験が豊富なのだけど、さすがにこのときはぎこちなかったなーと思います 笑

本当に緊張してたんだろうな。


そして、また来た道を戻って別れ際、優しくハグしてくれた。そのハグがとーっても心地よかった。


このころにくれてた言葉。

「僕に出会ったのが人生で一番幸せと言わせます」

すごい自信 … 笑笑


そのころは、嬉しいながらも、そんなことになるわけがないとどこかで思っていたし、すごいことを言う人だなぁと思っていたけど、

もしかしたら、本当にそうなるかもしれないと思い始めてるんだよなぁ。。

あの素直さには敵わない…

ちょっと怖い

「秋になったら、〇〇のいちょう並木を見に行こうよ。」


お付き合いし始め、四季折々の木々や花を愛でたいと願うわたしに、くまさんはいろいろ提案してくれてた。〇〇のいちょうもその一つだった。


紅葉の時期にそんなに都合よく一緒に外出できるだろうか…と期待はあまり持ちすぎずにいたのだけれど。願っていれば叶うもの。いつも偶然が重なり実現してしまう。


偶然が重なるのは本当なんだけど、きっとお互いが同じ方向を向いて、些細なチャンスを逃さず行動しているからなんだと思う。


お迎えに来てくれたくまさんの車の助手席にお邪魔して、いちょう並木に向かう道すがら、通り沿いの小さなお店を見つけて、

「ん?ここ気になる!」とくまさん。

「やっぱり!?わたしもここ気になってたの!」

この辺りは小さなお店がちょこちょこあるんだけど、その中でもピンとくるお店が一緒なのが地味に嬉しい。

「入っちゃおうか?」

「うんーっ!!」

そして、ちょっと引き返してパーキングさがして、2人でお店に入った。


お店に入るなりトイレに向かったくまさんが、トイレ近くの席にいた2人組の女性となにやらわちゃわちゃやっている。。


くまさんが押したトイレのドアが開かなくて、誰か入ってるのかなと下がったら、「ううん、トイレ空いてますよ!誰も入ってませんから。」とそのお二人。

ならばと力ずくでドアを押すくまさん。。開かない。「押してダメなら引くのかしら?」などと言われながら…くまさんってば力だけはすごいから、ドアが壊れてしまう!と焦ったわたしがコートを脱ぎながら駆け寄った。

3人でわたしに、誰も入ってないのにドアが開かないのだ!と訴える 笑


そしてわたしが静かにドアをノックすると、

中から答えるノックの音…


中にいた方本当にごめんなさい…

どんなにか怖かったでしょう…涙


「もう!オトナなんだから、トイレはまずノックでしょう!?」というわたしに、

たった今結成された3人同盟がいろいろ釈明する 笑


そして結局その方々のお隣の席に座って、ときどきおしゃべりしながら楽しくすぎたアメリカンダイナーな時間。


婚外恋愛って閉じた関係だから、なかなか第三者を交えて関わることは少ないけど、わたしもくまさんも、もともとは友人たちも含めて一緒にみんなで楽しみたいタイプ。

だからそんな時間がとても楽しかった❤︎


お腹いっぱいになって、いざ目的地へ!

そのいちょう並木にわたしが行くのは考えたら20年ぶりくらい(時の経つのが恐ろしい…)。有名なデートスポットだけど、夜だったから全然混んでなかった。

車を停めて、並木道に降り立ったとき、やっぱり圧倒された。とにかく素晴らしい 涙。

黄金色に輝くいちょうの葉の隙間から、満月に近い大きな月がのぞいていた。


2人で手を繋ぎながらゆっくりといちょう並木の下を歩く。

夜桜にも引けを取らぬいちょうの美しさに見とれていると、「きれいだね…」って後ろから不意打ちのハグ。

恥ずかしいからすぐにかわしちゃうけど、

「もー、そういうの、本当にずるいよーぉ」

というわたしに

「こういうので、まだドキッとしてくれるのー?」と嬉しそうなくまさん。

あまりまえじゃない!でもそのうちしなくなるのかなぁ。


月明かりの明るい夜空に紅葉して輝くいちょうはいくらでも見とれていられて、何枚も写真を撮って2人のアルバムに入れた。


それから、また車に乗って少しのドライブ。別の場所のいちょう並木を見つけて、わぁ!ここもきれいだねー、と窓からのぞくと、

「じゃぁ、来週はここに来ようか?」って。


くまさんは、本当にいろんなお誘いをしてくれる。ここに行こう!あそこに行こう!あれ食べよう!これ食べよう!ってまだまだたくさんやりたいことがあってとても追いつかない。

そして、その一つ一つを実現させる度に、とんでもなく楽しいから、わたしの心もどんどん動いちゃってちょっと怖い。


だってこれは婚外恋愛だから。

好きになりすぎちゃったら本能的に彼の全てが欲しくなってしまうし、要らぬ嫉妬心も出てきてしまいそう。


そんな悩みを話しても、

「俺はazuを好きなことに悩みなんてないよー」

「好きになりすぎてー!」

「愛は全部ください!」

いつも通り超絶前向き、シンプルなくまさん。


くまさんに出会って9か月。まだまだ婚外初心者のわたし。気持ちのさじ加減をお勉強しないといけません。だって。こんなにちゃんと好きになれるなんて思ってもいなかったから。

このままだと、失うのが考えられないくらい大好きになってしまいそうだから。そしたら先が見えなくなってしまいそうだから。

ちょっと怖いの。