ちょっと怖い
「秋になったら、〇〇のいちょう並木を見に行こうよ。」
お付き合いし始め、四季折々の木々や花を愛でたいと願うわたしに、くまさんはいろいろ提案してくれてた。〇〇のいちょうもその一つだった。
紅葉の時期にそんなに都合よく一緒に外出できるだろうか…と期待はあまり持ちすぎずにいたのだけれど。願っていれば叶うもの。いつも偶然が重なり実現してしまう。
偶然が重なるのは本当なんだけど、きっとお互いが同じ方向を向いて、些細なチャンスを逃さず行動しているからなんだと思う。
お迎えに来てくれたくまさんの車の助手席にお邪魔して、いちょう並木に向かう道すがら、通り沿いの小さなお店を見つけて、
「ん?ここ気になる!」とくまさん。
「やっぱり!?わたしもここ気になってたの!」
この辺りは小さなお店がちょこちょこあるんだけど、その中でもピンとくるお店が一緒なのが地味に嬉しい。
「入っちゃおうか?」
「うんーっ!!」
そして、ちょっと引き返してパーキングさがして、2人でお店に入った。
お店に入るなりトイレに向かったくまさんが、トイレ近くの席にいた2人組の女性となにやらわちゃわちゃやっている。。
くまさんが押したトイレのドアが開かなくて、誰か入ってるのかなと下がったら、「ううん、トイレ空いてますよ!誰も入ってませんから。」とそのお二人。
ならばと力ずくでドアを押すくまさん。。開かない。「押してダメなら引くのかしら?」などと言われながら…くまさんってば力だけはすごいから、ドアが壊れてしまう!と焦ったわたしがコートを脱ぎながら駆け寄った。
3人でわたしに、誰も入ってないのにドアが開かないのだ!と訴える 笑
そしてわたしが静かにドアをノックすると、
中から答えるノックの音…
中にいた方本当にごめんなさい…
どんなにか怖かったでしょう…涙
「もう!オトナなんだから、トイレはまずノックでしょう!?」というわたしに、
たった今結成された3人同盟がいろいろ釈明する 笑
そして結局その方々のお隣の席に座って、ときどきおしゃべりしながら楽しくすぎたアメリカンダイナーな時間。
婚外恋愛って閉じた関係だから、なかなか第三者を交えて関わることは少ないけど、わたしもくまさんも、もともとは友人たちも含めて一緒にみんなで楽しみたいタイプ。
だからそんな時間がとても楽しかった❤︎
お腹いっぱいになって、いざ目的地へ!
そのいちょう並木にわたしが行くのは考えたら20年ぶりくらい(時の経つのが恐ろしい…)。有名なデートスポットだけど、夜だったから全然混んでなかった。
車を停めて、並木道に降り立ったとき、やっぱり圧倒された。とにかく素晴らしい 涙。
黄金色に輝くいちょうの葉の隙間から、満月に近い大きな月がのぞいていた。
2人で手を繋ぎながらゆっくりといちょう並木の下を歩く。
夜桜にも引けを取らぬいちょうの美しさに見とれていると、「きれいだね…」って後ろから不意打ちのハグ。
恥ずかしいからすぐにかわしちゃうけど、
「もー、そういうの、本当にずるいよーぉ」
というわたしに
「こういうので、まだドキッとしてくれるのー?」と嬉しそうなくまさん。
あまりまえじゃない!でもそのうちしなくなるのかなぁ。
月明かりの明るい夜空に紅葉して輝くいちょうはいくらでも見とれていられて、何枚も写真を撮って2人のアルバムに入れた。
それから、また車に乗って少しのドライブ。別の場所のいちょう並木を見つけて、わぁ!ここもきれいだねー、と窓からのぞくと、
「じゃぁ、来週はここに来ようか?」って。
くまさんは、本当にいろんなお誘いをしてくれる。ここに行こう!あそこに行こう!あれ食べよう!これ食べよう!ってまだまだたくさんやりたいことがあってとても追いつかない。
そして、その一つ一つを実現させる度に、とんでもなく楽しいから、わたしの心もどんどん動いちゃってちょっと怖い。
だってこれは婚外恋愛だから。
好きになりすぎちゃったら本能的に彼の全てが欲しくなってしまうし、要らぬ嫉妬心も出てきてしまいそう。
そんな悩みを話しても、
「俺はazuを好きなことに悩みなんてないよー」
「好きになりすぎてー!」
「愛は全部ください!」
いつも通り超絶前向き、シンプルなくまさん。
くまさんに出会って9か月。まだまだ婚外初心者のわたし。気持ちのさじ加減をお勉強しないといけません。だって。こんなにちゃんと好きになれるなんて思ってもいなかったから。
このままだと、失うのが考えられないくらい大好きになってしまいそうだから。そしたら先が見えなくなってしまいそうだから。
ちょっと怖いの。
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