Precious moments

人生にやってくる予想外の出会いや出来事。婚外恋愛の軌跡。

最期のとき

くまさんがおもむろに言った。

「あのねー、この間思いついたんだけど、運転免許証の裏にazuの連絡先を書いておこうと思うんだ。うちの人たちは俺の免許なんて見ないから。」


「どうしてー?」


「そうすれば、俺に何かあったとき、例えばバイクで事故に遭ったとかね、そういうときに警察からあなたに連絡が行くでしょう?」


「そっか!じゃ、そうしておいて!でも…ご家族にも必ず連絡が行くわけで…はちあっちゃったら、そしたらどうしたらいいの?」


「それは、僕はもう知らない!!大丈夫だよ、あとはなんとかして 笑!」


「そんなぁ…」


「うそうそ、でも最期のときはazuにそばにいて欲しいから。」


「そうだねー、わたしもあなたにそばにいて欲しいなぁ、もう最期だってときは。。

わたしが最期ののときは駆けつけてくれる?」


「もちろん駆けつけるよ!」


「そして、手の一つでも握ってくれる?」


「うん、手も握るし、キスをするよ。ずっとキスをしながらとろんとした中で逝かせてあげるよ。」


わたしは思わず大笑いした。そんなこと言う人はじめてだし。


「でも、そういうときはいろんな管が付いてたり、酸素マスクだってしてるだろうし…」


「関係ないね、酸素マスクなんて外してずっとキスをする。その方が良くない?どうせもう死ぬならさぁ。それか、azuのベッドに潜り込んで、ずーっと抱きしめたまま逝かせてあげる。そしたら怖くないでしょう?安心できるでしょう?」


笑ってはいたけど、やっぱりくまさんは超えてくるなーと思った。めちゃくちゃ非現実的ではあるけれど、でも、なんか嬉しかったから、


「分かったー、じゃぁわたしも、あなたの最期にはそうすることにするね。」


「うん、ありがとう!

じゃ、免許証に付箋も付けてこの人に連絡してください!って書いておくよー。」


それ、結構危険な気がするんですけど…

くまさんは大丈夫って言うから、、


でも、そんなふうに死んでゆけたら幸せだなーって。思った。


ちょっと残しておきたいくまさん語録。