朝ごはん
昨日の夜の電話でくまさんが言った。
『俺もね、ただ漠然とあなたといたいって思ってるわけじゃないんだよ。
もうひと仕事して収入も安定させたら、60でもう1人になっていいなと思ってる。
60っていうのは区切り。ここまでよくやったって自分に言える区切り。もういいでしょう?これからは自由にさせてもらいたいって言えるとき。
その時まであなたがいてくれたら、あなたと一緒にいたい。
だから頼ってほしい。』
くまさんなりの答えなんだろう。
わたしは今51。
まだまだ人生がフラフラしてる。
国際機関に勤めたけど、やっぱり辞めると思う。
これから転職活動。
部屋も娘と住めるところに引っ越すかな。
離婚して引っ越したばかりなのに、
貯金がどんどんなくなるよー。
おひとりさまの心配事はやっぱり今後のお金のこと。
くまさんはいつも助かるよ頼ってほしいって言うけど、
なんかそれに甘んじてはいけないとずっと思っている。
そんなことを受け入れたら、
わたしの自由意志が制限される気がしちゃって。
今日は仕事を休んで、1日行政手続きに費やす日。
朝のんびりめに起きて、お腹が空いてる中、
コーヒーを淹れて、完璧なタイミングの美しいアボカドをつぶし、卵を焼いて、パンをカリッと焼いた上にクリームチーズ、アボカド、たまごを乗せて。桃をむいて、大好きな銘柄のヨーグルトをかけてテーブルに並べる。
好きな音楽を聴きながら、窓の外の雨を眺め、深呼吸して、ゆっくりいただく。
こんな時間が、何よりも幸せ。
わたしがやっと手に入れたこの自由。
ささやかな自由を失いたくない。
でも、溢れんばかりの愛情を注いでくれるくまさんの存在にももちろん感謝している。
ただそのためにこれからの人生を捧げる気にはならないの。
もしも失ったら寂しいなと思う。
いてくれたほうが楽しい時間も多いと思う。
でも全てではない。
やっぱり結婚する気持ちもない。
今のところの正直な気持ち。
わたしはわたしだけの生活を愛しんでいきたい。
贅沢な話なのかな、当たり前じゃないものを当たり前だと思っちゃって横柄なことを言ってるのかな。
そんなこと言ってていざ失ったら立っていられなくなったりするのかな。
いや、そんなことはないと思うんだけどな。
そんなくまさん、今日、区役所などはしごして駆け回ることを伝えたら途中からピックして車出してくれるって。
いいよー、わたしの用事だけだからって言ったんだけど、
『azuに会えるでしょ!』って。
優しいくまさんです。
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